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解体工事とは?家の解体の流れ・種類・届出を初心者向けに解説

「古くなった実家をどうしよう…」「この土地に新しい家を建てたいな」

親から相続した家や、長年住んだ愛着のある家の建て替えを考えたとき、多くの人が初めて直面するのが「解体工事」です。

言葉は聞いたことがあっても、「具体的に何をするの?」「費用は?」「手続きは大変?」など、分からないことだらけで不安に感じていませんか?

この記事では、そんな解体工事の初心者の方に向けて、解体工事の基本的な意味から、工事の具体的な流れ、種類、必要な届出まで、知っておくべき基礎知識を網羅的に解説します。

この記事を読めば、解体工事の全体像がすっきりと理解でき、安心して最初の一歩を踏み出せるようになります。ぜひ最後までご覧ください。

解体工事とは?その定義と目的

まず、「解体工事とは何か」という基本的な部分から見ていきましょう。言葉の意味や目的、工事に含まれる作業内容を理解するだけで、漠然とした不安が解消されます。

建物を壊して更地にする工事

解体工事とは、建築物や家屋を取り壊し、基礎部分も撤去して、土地を何もない状態(更地)に戻す一連の工事を指します。

単に建物を壊すだけでなく、その後の土地利用を見据えて、地中に障害物がないきれいな状態に整えるまでが工事の範囲に含まれるのが一般的です。住宅の解体だけでなく、ビルやアパート、倉庫など、さまざまな建物の解体工事があります。

建て替えや土地売却が主な目的

解体工事が行われる主な目的は、大きく分けて以下の2つです。

  • 新しい建物を建てるための準備(建て替え)
    今ある古い家を解体して、新しい住宅やアパートを建てるケースです。
  • 土地を売却するため
    建物が建ったままよりも、更地にした方が土地の買い手が見つかりやすく、資産価値も高まる傾向があるため、売却前に家を解体します。

その他にも、老朽化して倒壊の危険がある「特定空き家」を解体する場合や、駐車場として土地を活用するために建物を解体するケースもあります。

解体工事に含まれる作業内容

「解体工事」と一言で言っても、その作業は多岐にわたります。一般的に、家の解体工事には以下のような作業が含まれます。

  • 足場や養生シートの設置
    騒音や粉じんが近隣に飛散するのを防ぎます。
  • 内装材や建具の撤去
    壁紙、床材、ドア、窓ガラスなどを手作業で取り外します。
  • 屋根や外壁の撤去
    重機を使って建物の構造体を取り壊していきます。
  • 基礎の撤去
    地面に埋まっているコンクリートの基礎を掘り起こして撤去します。
  • 廃棄物の分別・搬出
    木くず、コンクリートがら、金属くずなどを法律に従って正しく分別し、処理場へ運びます。
  • 整地
    土地を平らにならして、きれいな更地にして工事完了です。

このように、解体工事は計画的な手順に沿って、安全かつ環境に配慮しながら進められる専門的な工事なのです。

撤去・取り壊し工事との違い

解体工事と似た言葉に「撤去工事」や「取り壊し工事」があります。これらの言葉の違いが分からず、混乱してしまう方も少なくありません。それぞれの意味を整理しておきましょう。

「解体工事」は建物全体の取り壊し

前述の通り、「解体工事」は、建物の構造体全体を取り壊し、基礎も撤去して更地にする大規模な工事を指すのが一般的です。建築物そのものを無くすことを目的としています。

「撤去工事」は設備や一部の除去

一方、「撤去工事」とは、建物の一部や設備、外構などを部分的に取り除く工事を指します。建物全体を壊すわけではない点が大きな違いです。

  • 撤去工事の例
    • エアコン、給湯器などの設備機器の取り外し
    • ブロック塀、フェンス、カーポートなどの外構の除去
    • リフォームに伴う内装や間仕切り壁の除去
    • 庭石や樹木の除去

例えば、「家の解体工事」の中に「ブロック塀の撤去工事」が含まれる、という関係性になります。

「取り壊し工事」はほぼ同義語

「取り壊し工事」は、「解体工事」とほぼ同じ意味で使われる言葉です。一般的には、どちらを使っても意味は通じます。

ただし、法律(建設業法など)や行政手続きの場面では「解体工事」という言葉が正式名称として使われることが多いため、見積書や契約書では「解体工事」と記載されているのが通常です。

建物の構造別に見る解体工事の種類

解体工事は、建物の構造によって工事の方法や費用、工期が異なります。ここでは、日本の住宅で一般的な3つの構造別に、解体工事の特徴を解説します。

木造家屋の解体工事

日本の戸建て住宅で最も多いのが木造家屋です。

  • 特徴
    柱や梁などの主要部分が木材でできています。比較的解体がしやすく、他の構造に比べて費用が安く、工期も短い傾向があります。
  • 解体方法
    手作業と重機を併用する「手こわし併用工法」が主流です。まず内装や屋根瓦を手で撤去し、その後、重機で一気に建物を壊していきます。

鉄骨造(S造)建物の解体工事

鉄骨造(Steel)は、柱や梁に鉄骨が使われている建物で、住宅のほか、アパートや倉庫、工場などにも多く見られます。

  • 特徴
    木造に比べて頑丈なため、解体にはより強力な重機が必要です。木造よりも騒音や振動が大きくなりやすく、費用も高くなる傾向があります。
  • 解体方法
    ガス切断機や鉄骨カッターなどで鉄骨を切断しながら、重機で解体を進めます。

鉄筋コンクリート造(RC造)の解体工事

鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete)は、鉄筋の型枠にコンクリートを流し込んで作る非常に強固な構造です。マンションやビル、公共施設などに多く採用されています。

  • 特徴
    最も頑丈な構造のため、解体も大掛かりになります。大きな騒音や振動、粉じんが発生しやすく、工期も長くなり、費用も高額になります。
  • 解体方法
    大型の重機に「圧砕機」というアタッチメントを取り付け、コンクリートを噛み砕きながら解体を進めるのが一般的です。

家の解体工事の一般的な流れ10ステップ

ここからは、実際に家の解体工事を依頼してから完了するまでの具体的な流れを、10のステップに分けて解説します。全体像を把握しておけば、今何をすべきかが明確になります。

ステップ1:事前調査と業者選定

解体工事の成功は、信頼できる業者選びで決まると言っても過言ではありません。まずは、解体したい建物の状況(構造、広さ、周辺環境など)を業者に伝え、現地調査を依頼します。複数の業者から見積もりを取り(相見積もり)、費用や工事内容、担当者の対応などを比較検討して、依頼する業者を決定します。

ステップ2:各種届出の手続き

解体工事を行うには、事前に役所などへいくつかの届出が必要です。多くは解体業者が代行してくれますが、施主(あなた)の名前で提出が必要な書類もあるため、業者としっかり確認しましょう。
(※必要な届出の詳細は後述します)

ステップ3:近隣への挨拶と説明

工事が始まると、騒音や振動、ほこりなどで近隣に迷惑をかける可能性があります。着工前に業者と一緒に近隣住民へ挨拶に伺い、工事の期間や内容を説明しておくことが、トラブルを未然に防ぐために非常に重要です。

ステップ4:足場と養生シートの設置

工事現場の周りに足場を組み、その外側を防音・防じん効果のある養生シートで覆います。これは、騒音やほこりの飛散を最小限に抑え、安全に作業を進めるための大切な準備です。

ステップ5:内装材・建具・住宅設備の撤去

建物の本格的な取り壊しに先立ち、手作業で分別・撤去できるものを先に取り外します。

  • 畳、壁紙、石膏ボードなどの内装材
  • ドア、窓ガラス、ふすまなどの建具
  • キッチン、トイレ、お風呂、エアコンなどの住宅設備

これらを事前に分別することで、後の廃棄物処理がスムーズになります。

ステップ6:屋根・外壁・建物の取り壊し

内装が空になったら、いよいよ重機を使って建物の本体を解体していきます。一般的には、屋根→壁→柱・梁といったように、上から下へと順番に取り壊しを進めます。

ステップ7:基礎の撤去と地中埋設物の確認

建物本体の解体が終わると、地面に残っているコンクリートの基礎を掘り起こして撤去します。このとき、以前の工事で埋められたコンクリートがらや浄化槽など、予期せぬ「地中埋設物」が見つかることがあります。その場合は、追加で撤去費用が発生することがあります。

ステップ8:産業廃棄物の分別と搬出

解体工事で発生した木くず、コンクリートがら、金属くずなどは「産業廃棄物」として、法律(廃棄物処理法)に基づき厳密に分別しなければなりません。分別された廃棄物は、それぞれ専門の処理施設へトラックで搬出されます。

ステップ9:整地と後片付け

すべての廃棄物を搬出し終えたら、重機で土地を平らにならします(整地)。石やコンクリート片などを取り除き、きれいな更地の状態にして、工事は完了です。

ステップ10:建物滅失登記の申請

工事完了後、法務局へ「建物滅失登記」を申請する必要があります。これは、登記簿上から建物が存在しなくなったことを登録する手続きで、解体後1ヶ月以内の申請が法律で義務付けられています。忘れると過料が科される可能性もあるため、必ず行いましょう。

解体工事で必要な届出と関連法規

解体工事は、安全や環境を守るために様々な法律でルールが定められています。ここでは、施主として知っておくべき主な届出や法律を4つ紹介します。

建設リサイクル法に基づく届出

一定規模以上の解体工事を行う場合、工事で発生する資材のリサイクルを促進するための「建設リサイクル法」に基づき、着工の7日前までに都道府県知事への届出が必要です。届出は発注者(施主)の義務ですが、多くの場合、業者が委任状をもらって代行します。

アスベスト(石綿)事前調査と報告

アスベスト(石綿)とは、過去に建材として使われていた発がん性のある有害物質です。現在は、解体工事の前にアスベストが使用されているかどうかの事前調査が法律で義務付けられています。一定規模以上の工事でアスベストが含まれていた場合は、行政への報告と、飛散防止のための厳重な対策が必要です。

道路使用許可申請

工事車両の駐車や、足場の設置などで公道を使用する必要がある場合、管轄の警察署へ「道路使用許可」を申請しなければなりません。これも通常は解体業者が手続きを行います。

建物滅失登記の申請義務

前述の通り、建物を解体したら1ヶ月以内に法務局へ「建物滅失登記」を申請する義務があります。この手続きは土地家屋調査士に依頼するのが一般的ですが、自分で行うことも可能です。これを怠ると、固定資産税が課され続けるなどの不利益が生じます。

解体工事に関する初心者のよくある質問

最後に、解体工事を初めて検討する方が抱きがちな疑問にお答えします。

家の解体費用の相場はいくら?

家の解体費用は、建物の構造、広さ(坪数)、立地条件、付帯工事の有無などによって大きく変動します。 あくまで一般的な目安として、坪単価の相場は以下の通りです。

  • 木造
    1坪あたり4万円~5万円
  • 鉄骨造
    1坪あたり6万円~7万円
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)
    1坪あたり6万円~8万円

例えば、30坪の木造住宅なら「30坪 × 4万円 = 120万円」が最低ラインの目安となります。ただし、これは本体の解体費用のみです。実際には、足場代、廃棄物処理費、付帯工事(塀や庭石の撤去など)の費用が加算されます。正確な金額は必ず複数の業者から見積もりを取って確認してください。

解体業者はどうやって探せばいい?

信頼できる解体業者を探すには、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」が不可欠です。 建て替えの場合はハウスメーカーや工務店に紹介してもらうこともできますが、自分で探す場合はインターネットの解体業者専門の一括見積もりサイトを利用すると効率的です。費用だけでなく、工事内容の説明の丁寧さや、担当者の人柄なども含めて総合的に判断しましょう。

家の中の不用品や家具はどうする?

解体工事の前に、家の中にある家具や家電、衣類などの不用品(残置物)は、原則として自分で処分しておく必要があります。 もし処分を解体業者に依頼すると、一般廃棄物の処理費用として追加料金がかかり、割高になるケースがほとんどです。自治体の粗大ごみ回収や不用品回収業者などを利用して、事前に片付けておきましょう。

工事中の騒音や近隣トラブルが心配

解体工事に騒音や振動はつきものです。トラブルを避けるためには、着工前の近隣挨拶が何よりも重要です。 誠実な対応をしてくれる業者を選ぶのはもちろん、施主としても業者任せにせず、一緒に挨拶に回る姿勢を見せることが、近隣住民の理解を得るための鍵となります。工事期間中は、養生シートをしっかり張るなど、業者に安全対策を徹底してもらうようお願いしましょう。

まとめ

今回は、「解体工事とは何か」をテーマに、その定義から工事の流れ、種類、関連法規まで、初心者が知っておくべき基礎知識を解説しました。

  • 解体工事とは、建物を壊して更地にする一連の工事のこと
  • 工事は「事前準備→解体作業→後片付け・手続き」という流れで進む
  • 建物の構造(木造、鉄骨造など)によって工事方法や費用が異なる
  • 建設リサイクル法やアスベスト調査など、法律に基づく手続きが必要
  • 成功の鍵は、複数の業者を比較して信頼できるパートナーを見つけること

人生で何度も経験することではないからこそ、解体工事には不安がつきものです。しかし、正しい知識を持って手順通りに進めれば、決して難しいことではありません。

この記事で解体工事の全体像を掴んだら、次のステップとして、まずは「信頼できる解体業者を探して見積もりを依頼する」ことから始めてみましょう。あなたの新しい未来に向けた大切な第一歩を、応援しています。