【2025年最新版】蔵の解体費用相場と注意点｜補助金・お祓い・業者選びまで徹底解説

「実家の使わない蔵を解体したいけど、いくらかかるの？」
「蔵の解体費用を抑える方法はあるの？」

古くから受け継がれてきた「蔵」ですが、老朽化や地震リスク、維持管理の負担から、解体を検討する方が増えています。

また、蔵は通常の木造住宅とは異なり、土壁や石積み構造など特殊な造りをしているため、解体費用が高額になりやすく、補助金やお祓い（場合によっては）など特有の注意点もあります。

そこでこの記事では、2025年最新版の蔵解体費用相場や内訳、構造別の費用、補助金制度や固定資産税の影響、お祓いの必要性、業者選びのポイントまで徹底解説します。

国や自治体が公表している最新データや、解体業界の実務経験にもとづく情報も盛り込んでいるので、解体業者に相談する前の参考にしてみてください。

【この記事でわかること】
✅ 蔵解体の費用相場と内訳
✅ 補助金・助成金の活用方法
✅ お祓いや供養の必要性
✅ 業者選びの注意点
✅ 固定資産税や登記の影響

執筆・監修｜本記事は、解体工事に特化した実績20,000件以上の「まかせてあんしん解体」の編集チーム（建設業許可・産業廃棄物収集運搬許可取得済み）が作成しました。制度情報は国や自治体を参考に、最新の内容に基づいて編集しています。

蔵の解体費用はいくらかかる？相場と内訳

まずは結論として、蔵を解体する際にかかる費用は、一般的な木造住宅に比べて高くなる傾向があります。

• 坪単価
  3.5～10万円
• 単価が高くなり条件
  構造／立地条件／残置物の有無
• 追加費用の有無
  アスベストの調査・撤去など

ここでは、上記の費用相場・内訳について詳しく解説します。

蔵解体の坪単価（3.5〜10万円の目安）

蔵の解体費用は坪単価3.5〜10万円程度が相場です。

たとえば延床10坪の小さな蔵であれば35万〜100万円、20坪規模なら70万〜200万円程度が目安になります。ただし、以下の条件によって大きく変動します。

• 構造
  木造か、石蔵・土蔵かで解体の難易度が違う
• 立地条件
  重機が入れるかどうか、搬出経路の広さ
• 残置物の有無
  内部に家具や農機具が残っていれば処分費用が加算

そのため、蔵の状況によって金額が数十万規模で変わる点に注意してください。

まずは複数業者から相見積もりを取り、坪単価を比較することが重要です。

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木造蔵・石蔵・土蔵など構造別の解体費用

蔵の解体は、構造ごとに費用が変化します。特に「石蔵」や「土蔵」は解体に人力作業が多くなるため、木造の蔵より割高です。

構造タイプ	費用相場（坪単価）	特徴
木造蔵	3.5〜6万円	比較的安価。重機での解体が容易
石蔵	6〜10万円	石材の撤去・処分費用が高額
土蔵	5〜9万円	土壁の処分にコストがかかる。アスベスト含有の有無で変動

【まかせてあんしん解体の事例｜古い田舎の蔵の解体】
上記の坪単価はあくまで目安です。築100年以上の石蔵を解体したケースでは、延床15坪で約150万円（10万円/坪）かかったという実例もあるため、まずは見積もりのために蔵の状態を調査してもらうのがおすすめです。

土壁の処分費用とアスベストの有無による差

蔵特有の「土壁」は、産業廃棄物としての処分費用が発生します。処分単価は1㎥あたり1〜2万円程度が目安です。

さらに注意が必要なのは アスベスト（石綿） の有無です。

昭和50年代以前に建てられた蔵には、土壁や屋根瓦の下地にアスベストが含まれている場合があり、この場合は特別管理産業廃棄物としての処分が必要になります。

（出典1：石綿総合情報ポータルサイト公式サイト）
（出典2：国土交通省「石綿（アスベスト）含有量データベース」）

処分費用は通常の倍以上になることも珍しくありません。

【まかせてあんしん解体｜担当者コメント】
実際にいくらかかるのかは、解体業者が現地を調査しなければわかりません。まずは無料で調査・見積もりだけ依頼するのがおすすめです。

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蔵一棟あたりの解体費用シミュレーション（5坪/10坪/20坪の事例）

蔵の解体費用は「坪単価」で計算されるのが一般的ですが、実際にどのくらいの金額になるのかはイメージしづらいものです。

ここでは、延床面積ごとに代表的な費用シミュレーションを紹介します。

• 木造蔵：坪単価 4.5万円
• 土蔵：坪単価 6万円
• 石蔵：坪単価 8万円
  ※残置物処分や整地費用は別途
  （10〜30万円程度）

蔵の規模	木造蔵の費用目安	土蔵の費用目安	石蔵の費用目安
5坪（約16㎡）	約22万〜30万円	約30万〜40万円	約40万〜55万円
10坪（約33㎡）	約45万〜60万円	約60万〜80万円	約80万〜110万円
20坪（約66㎡）	約90万〜120万円	約120万〜160万円	約160万〜220万円

このように、同じ坪数でも「構造の種類」「残置物の有無」「整地の範囲」によって数十万円単位で費用が変動します。

見積もりを依頼するときは「解体費用の内訳（本体・処分・整地）」を明細で出してもらうことが重要です。

▼解体見積もりの依頼方法はこちらをチェック▼

【2025年版】解体見積もり相場ガイド｜費用事例・補助金・無料一括比較で失敗しない方法【大阪事例も掲載】

蔵解体にかかる追加費用と注意点

蔵の解体費用は「本体工事」だけでなく、処分費用・整地費用・登記費用・税金面での影響など、さまざまな追加費用が発生します。

特に土壁やアスベストを含む場合は、予算が大幅に膨らむこともあるため注意が必要です。ここでは、代表的な追加費用とそのポイントを解説します。

土壁や土蔵アスベスト処分の費用

蔵に多い土壁は、産業廃棄物として処理する必要があります。

具体的な処分単価は1㎥あたり1〜2万円程度が目安で、20坪規模の土蔵では処分費用だけで約20～40万円かかるケースもあります。

さらに古い土蔵では、アスベスト（石綿）が含まれている可能性があり、特別管理産業廃棄物としての処分が必要になります。この場合は、通常の解体費用に加えて以下のコストが発生します。

• アスベスト事前調査費用
  5〜15万円
• 除去・処分費用
  1㎡あたり1〜2万円（規模により変動）

特に、アスベストを含む場合には、総額で50万〜100万円以上の追加費用になることもあります。

国交省のガイドラインでは、2023年からアスベスト調査の事前報告が義務化されているため、必ず専門業者に調査を依頼しましょう。

（出典：環境省「4月1日から石綿の事前調査結果の報告制度がスタートします」）

【まかせてあんしん解体｜担当者コメント】
アスベスト調査をしないと、大気汚染防止法にもとづき、30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、除去についても法律を違反すると、3ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科せられるケースもあります。DIYで解体しないように注意しましょう。（出典：大気汚染防止法35条の4）

解体後の整地・登記手続き費用

蔵を取り壊したあとは、土地を再利用できる状態に整える必要があります。

• 整地費用
  10万〜30万円程度
  （面積や地盤の状態による）
• 登記関連費用
  建物滅失登記に1〜3万円程度
  （司法書士へ依頼する場合）

これは整地のために重機を入れるか、それとも人力かでも費用が変わります。また登記を怠ると、税金や売却時に不利になる可能性があるため、必ず解体後1か月以内に滅失登記を行うことが推奨されます。

この部分は「費用の見積もりに含まれていないケース」が多いため、契約時に必ず確認しておきましょう。

蔵解体後の固定資産税はどうなる？

蔵を解体すると、固定資産税にも影響があります。

まず蔵（建物）がなくなることで、建物分の固定資産税は不要になります。ただし、宅地にかかる固定資産税は残るため、土地評価額によっては負担が変わらない場合もあります。

一方、蔵を解体することで土地が「更地」とみなされ、住宅用地の特例（最大1/6軽減）が外れる場合があり、結果的に税額が上がるケースもあるため、まずは見積もりついでに解体業者に「何がどう変わるのか」を相談しておくと安心です。

（出典：国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」）

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蔵を解体するときに利用できる補助金・助成金

蔵の解体には、費用が100万円以上かかるケースも多いため、なかなか手を出せないという方も多いでしょう。

それならまずは、自治体の補助金や助成金を活用できるかチェックしてみるのがおすすめです。

特に「空き家解体補助金」は全国の市区町村で整備が進んでおり、古い蔵も対象となる場合があります。ここでは、代表的な制度の概要と注意点を解説します。

空き家解体補助金の対象になるケース

多くの自治体では、次の条件を満たす建物（蔵を含む）に対して解体費用の一部を補助しています。

• 築年数がおおむね20年以上経過している
• 誰も住んでいない「空き家」として一定期間放置されている
• 倒壊の危険があり、周囲に悪影響を及ぼす可能性がある
• 所有者または相続人が申請する

補助金額は自治体によって異なりますが、上限50〜100万円程度の補助が一般的です。

たとえば、大阪府大阪市では最大75～100万円（一部地域限定）、兵庫県神戸市では最大60万円が支給される制度があります。

（出典1：大阪市「狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度」）
（出典2：神戸市「老朽空家等解体補助制度の申請受付」）

また大阪市の解体補助金については以下の記事で詳しく解説しています。

【2025年最新版】大阪市の空き家解体補助金一覧｜申請条件・対象地域・最大補助額まとめ

自治体ごとの申請方法と注意点

補助金を受けるためには、必ず工事着手前に申請が必要です。主な流れは以下の通りです。

1. 申請書の提出
   （所有者情報・建物情報・工事計画）
2. 現地調査
   （自治体職員が蔵の状態を確認）
3. 審査・交付決定
   （補助金額の決定通知）
4. 解体工事の実施
5. 工事完了報告
   （領収書・写真を添付）
6. 補助金の支払い

注意点としては、工事契約前に申請すること（事後申請は認められない）が絶対条件です。また、解体業者のなかでも、登録業者や建設業許可業者に依頼した場合にのみ適用されるケースもあるため、事前確認が欠かせません。

申請の手続きは複雑に感じるかもしれませんが、実績のある解体業者に依頼すれば申請サポートを受けられるケースもあります。

蔵の解体業者を選ぶポイント

蔵の解体は住宅解体とは異なり、土壁や石積み、アスベスト調査など専門性の高い作業を伴います。そのため「どの業者に依頼するか」で費用や安全性、工期が大きく変わります。

ここでは、信頼できる業者選びのコツを解説します。

複数見積もりで比較する重要性

蔵解体の費用は、業者ごとに30〜50％以上の差が出ることがあります。その理由は…

• 搬出経路の確保や重機使用の可否など現場条件の判断
• 産業廃棄物処分の費用見積もり方法
• アスベスト調査や整地費用の計上有無

といった要因が業者によって異なるからです。

そのため、見積もりを取る際には必ず3社以上を比較しましょう。また、比較時には次のポイントを確認することが大切です。

• 見積書に以下の項目が明確に区分されているか
  解体工事費／残置物処分費／整地費用など
• アスベスト調査や滅失登記の費用が含まれているか
• 補助金申請サポートがあるか
• 依頼するエリアの解体実績が豊富か

単に安さだけで選ばず、内訳の透明性と補助金対応力もあわせて確認することが大切です。

【まかせてあんしん解体｜担当者コメント】
解体業者の多くは、公式サイトに過去の解体実績などを掲載しています。弊社でも以下のように実績ページがあるので、事前に確認しておくと安心ですよ。

▶ まかせてあんしん解体の実績ページはこちら
▶ 依頼者の感想・体験談ページはこちら

悪徳業者を避けるためのチェックリスト

残念ながら解体業界には、一部ですが「不当な追加請求」や「不法投棄」を行う悪質な業者も存在します。そうしたリスクを避けるためには、以下のチェックが有効です。

✅ 建設業許可番号・解体工事業登録の有無を確認する
✅ 産業廃棄物処理業者との契約書（マニフェスト）を提示できるか
✅ 見積もりが極端に安すぎないか
✅ 契約前に工事内容を具体的に説明してくれるか
✅ ネットの口コミや過去の実績写真を確認する

もし契約後に不審な点があれば、消費生活センター（出典：全国の消費生活センター）や自治体の建設指導課へ相談することも可能です。

蔵を解体する流れと工事方法

蔵の解体は、通常の住宅と比べて工程が複雑です。ここでは、一般的な解体の流れと注意点を整理しました。

事前調査と見積もり依頼のポイント

解体工事を始める前に行うのが現地調査と見積もり依頼です。調査では以下の内容が確認されます。

• 建物の構造（木造／石蔵／土蔵）
• アスベスト含有建材の有無（2023年以降は調査報告が義務化）
• 蔵の内部に残された家具や農機具など残置物の有無
• 重機搬入が可能かどうか（狭小地では人力が必要）

見積もりの段階で「処分費用」「整地費用」「登記手続き」の有無を必ず確認しましょう。

解体の手順（残置物処分→瓦撤去→土壁解体→産廃処理→整地）

蔵解体のおおまかな流れは以下の通りです。

1. 残置物の撤去
   内部の家具や農機具を分別・処分
2. 屋根材・瓦の撤去
   落下事故を防ぐために上から順に解体
3. 土壁や梁の解体
   重機または人力で慎重に崩す
4. 廃材の分別・産廃処理
   木材・石材・土壁を法令に従って処理
5. 整地作業
   重機で土地を平らにし、再利用可能な状態に整える

この流れを把握しておけば、見積書の内訳に漏れがないか確認できます。

蔵の解体は自分でDIYできる？（危険性と専門業者推奨の理由）

「小さい蔵なら自分で壊せるのでは？」と考える方もいますが、実際にはおすすめできません。その理由は次の通りです。

• 土壁や梁が不安定で倒壊のリスクが高い
• 石蔵は重量物が多く、人力では危険
• アスベストを含む場合、専門的な処理が必須
• 廃材処分には産業廃棄物の許可業者との契約が必要

なかには、高所作業をしたせいでケガや事故に遭ったという方もいます。

（出典：国民生活センター「思わぬ大けがに！高齢者の脚立・はしごからの転落－医療機関ネットワークからみる危害の実態－」）

結果として「DIYで一部壊したが処分に困り、結局業者へ依頼」というケースも少なくありません。そのため、安全性とコスト面を考えると、最初から解体業者に依頼するのがベストです。

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蔵解体前に必要なお祓い・供養について

蔵は住宅以上に長い年月を経て建てられており、先祖代々の思い出や神棚・位牌などが置かれているケースも少なくありません。

そのため解体工事に入る前に「お祓い」や「供養」を行うことで、安心して工事を進められると考える方が多いです。

法的な義務はありませんが、精神的な区切りや地域の慣習を重んじる意味でも、実施を検討する価値はあります。

お祓いを行うべきケース（蔵に位牌・神棚がある場合など）

お祓いを依頼するケースとして代表的なのは以下の通りです。

• 蔵の中に 神棚や仏壇、位牌 が残されている場合
• 先祖代々が使ってきた建物を取り壊す場合
• 地域の慣習で「解体前に地鎮祭・お祓いをする」風習がある場合
• 解体後に住宅や別の建物を新築予定で、土地の清めを兼ねたい場合

また、地元の住職や神主にお願いすれば、読経や祝詞をあげていただくことも可能です。特に高齢の親族が同席する場合は、安心材料として喜ばれる傾向があります。

お祓いの費用相場と手順

お祓いの費用は地域や神社・寺院によって異なりますが、一般的には2万〜5万円程度 が相場です。また以下に、お払いの流れをまとめました。

1. 日取りの決定
   解体着工前に日程を調整
2. 神主・僧侶の手配
   地元の神社や菩提寺に依頼
3. 供物の準備
   お酒・米・塩・果物などを用意（のし袋も必要）
4. お祓い実施
   祝詞や読経を上げ、建物と土地を清める
5. 参列者で礼拝
   家族や工事関係者が立ち会う

また準備しておきたいのが、以下です。

項目	備考
のし袋 （初穂料）	「御初穂料」または「御礼」と記載
日本酒	地鎮祭でも用いられる定番
米	清め用として使用
塩	土地の四隅を清める際に使用
果物	お供え用
野菜	地域の風習による
水	清浄の象徴として用いる

大規模な蔵や特別な供物を準備する場合は、追加費用がかかることもあります。

お祓いをすべきか迷っている方は、解体経験豊富な業者に相談してみるのがおすすめです。費用相場や手順も含めて無料でアドバイスを受けられます。

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蔵を解体する代わりの選択肢

蔵は必ずしも壊す必要はなく、補修やリノベーションで新しい価値を持たせることもできます。解体を迷っている方は、以下の選択肢も検討してみましょう。

• リノベーション活用
  住居・カフェ・ギャラリーに改装
• 文化財登録や保存
  歴史的価値があれば助成金対象に
• 倉庫・趣味スペース
  簡易補修で物置や作業場として再利用

修繕費用は数百万円かかる場合もありますが、新築より安く蔵の趣を残せます。解体と保存の両方で見積もりを取り、比較検討するのが安心です。

蔵の解体についてよくある質問【FAQ】

まとめ｜蔵解体は「相場理解＋補助金＋信頼できる業者」が鍵

蔵の解体は、木造・土蔵・石蔵など構造によって費用が大きく変動し、追加で土壁処分やアスベスト調査、整地・登記費用がかかることもあります。補助金制度やお祓いなど、蔵特有の要素を理解して準備することが重要です。

そのうえで、信頼できる業者を選び、複数の見積もりを比較すれば、費用の最適化とトラブル防止につながります。

蔵の解体で失敗しないためには、まず無料相談や一括見積もりを利用し、費用相場と補助金活用の両方を確認してから進めるのがおすすめです。

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